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これでわかったビットコイン

これでわかったビットコイン: 生きのこる通貨の条件

日本では大手取引所の1つマウントゴックスの破たんにより、怪しいイメージがついてしまった電子通貨ビットコインですが、グローバルでは用途がますます広がっており、注目度も落ちていません。

本書は題名の通りビットコインの入門書ですが、ビットコインの価格がマウントゴックスの破たん後も思ったほど下がらなかったので、興味を持って読んでみました。ビットコインの価格はこれまで激しく変動してきました。2007年10月に最初に取引された時は1ビットコイン=5セント(約5円)だったのが、13年末には一時1ビットコイン=1,200ドル(約12万円)まで高騰し、マウントゴックスの破たん後に400ドルまで下がりましたが、現在は約600ドルで推移しています。

本書はなかなか理解しづらいビットコインの仕組みについてわかりやすく解説しているという触れ込みでしたが、ページ数が100ページほどしかなく、ビットコインが生まれた背景や使い方について大部分の紙幅が割かれているので、仕組みについての記述は20ページほどしかなく、かなり不満足でした。

また、ビットコインが格差を助長するなどといった筆者の見立てもこうした入門書には不必要でしょう。ビットコインについては設計思想を解説した論文が、いまだ正体が不明のビットコインの創設者ナカモト・サトシ氏により書かれているので、そちらを読もうと考えています。

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大家さんとは違う不動産投資法「ランドバンキング」

大家さんとは違う新不動産投資法「ランドバンキング」

レベル4 ★

日本ではあまりなじみのない更地への投資である「ランド・バンキング」について取材を受けることになったので読んでみましたが、残念ながらあまり発見はありませんでした。

ランド・バンキングは5年程前に日本でプチブームとなりましたが、リーマンショックによる開発計画の頓挫により、いくつかの大手業者も日本から撤退し、現在では香港などの投資顧問を通じて投資をすることが一般的となっています。

この本の著者は、これからも人口が増え続ける米国で、特に経済が活況を呈しているカリフォルニア州へのランド・バンキング投資を自身でも実践し、その手法について解説していますが、取り上げている地域はカリフォルニアの一部のみで、その他の地域については言及がありません。

また、ランドバンキング投資のアップサイドが大きいことは分かるのですが、どのようなリスクが背景にあるからこその高いリターンであるかをきちんと説明しなければ、多くの人にとって投資に取り組む際に不安が残るでしょう。

一見、200ページほどの著作に見えますが、契約書の内容のコピーなどが多く、実際の記述は100ページほどとボリュームも少ないです。

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世界で最も読まれている株の名著10選

世界で最も読まれている株の名著10選 (日経ビジネス人文庫)

レベル3 ★

以前から、このコラムや外部のメルマガ、テレビ番組などで著名投資家について解説してきた身としては、見逃せないタイトルの本でしたので読んでみました。

ウォーレン・バフェットやピーター・リンチ、ベンジャミン・グレアムなど著名な投資家にまつわるベストセラーを10冊選んで、著者の感想がまとめられています。ただ、著者自身が投資についての専門家でないためか、「インデックス投資がほとんど現在では廃れている」など首をかしげざるを得ない記述が多く、正直タイトルから期待していたほどの内容ではありませんでした。

巻末の投資についてのベストセラーが年表にまとめられている点や、「はじめに」に展開されている投資についての著作はその時代背景を含めて理解すべきといった内容はなかなかに興味深いのですが、10冊それぞれについての感想が散発的に展開されていて、また重複している内容も多く、本としてのまとまりに欠けていました。

各年代の代表的な投資の著作をピックアップして、その当時の金融市場の状況と絡めて、どのような投資が主流で、誰がその時代を代表する投資家であったのかという切り口など、体系的なストーリーがあればより魅力的な内容となったのではないでしょうか

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日本人が成功すんなら、アジアなんじゃねぇの?

日本人が成功すんなら、アジアなんじゃねぇの? 起業に役立つ現地情報&稼げるノウハウ!


海外進出支援の会社を経営している筆者が、タイ、ベトナム、シンガポール、カンボジア、バリ島で起業した日本人にインタビューした内容をもとに書いた本です。アジアのマーケットは、2020年に20億人に増加するといわれており、高い経済成長をしている各国の現地様子を垣間見ることで、今後の経済成長のポテンシャルを感じることができます。

日本人であることの最強武器は、海外への渡米費用や起業資金が安くすむ円高、ほとんどの国に簡単に入国できるパスポート、日本人相手の商売で稼ぐことができることの3つであると筆者は主張しています。アジアでの起業を考えている方は、筆者のいう通り、アレコレ言わずに、まずはアジアを訪れてその様子を肌で感じてみるといいでしょう。

成功者の話は、目の付け所がユニークで、ストーリーとしては非常に面白いのですが、たまたま時流にのったものや、再現性がないものも多いと感じました。それほど規模が多くない事業主や、個人事業主は、起業をする際に参考になると思うのですが、企業移転を考えている経営者や会社の転勤でアジアで働く人にとっては、この本の内容は物足りないかもしれません。そういった方は、今はアジアの企業進出について書いた本は山ほどでているので、別の本も合わせて参考にした方がいいでしょう。

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成金

成金

前作「拝金」に続く、ホリエモンの小説第2作。時系列としては、この「成金」が「拝金」の前で、ちょうど「成金」のエンディングが、「拝金」のプロローグに続く構成になっています。

「拝金」と同じく、何かを考えさせるとかそういう深みはないですが、ビジネスマンなら誰をモチーフにしているかすぐに分かる登場人物たちの人物像と、実際に起きたこととリンクしたストーリーはなかなかに面白いです。

2005年以降の世界を描いた「拝金」は私自身ビジネスの世界に居たのであまり新しい発見はなかったのですが、この「成金」はITバブルがピークの2000年前後を描いていて、この本をきっかけに光通信がらみの事件とかについて、改めて調べてみてこんなことが起きていたのかと新鮮に驚きました。

バブルの熱狂は、やはり渦中に居た人が描くのが、その興奮がリアルに伝わってきて、一番面白いですね。一つ注文をつけるとすると、ホリエモンをモチーフにした主人公が、どちらの作品も美化されすぎていることですが、今は小説が彼の自己表現の手段であることを考えると致し方ないかもしれません。

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ビット・トレーダー

ビット・トレーダー

講談社で「マガジン」の編集者をつとめ、「金田一少年の事件簿」で大ヒットを飛ばし、ライバルの集英社に移籍してからも「ジャンプ」で「デス・ノート」をヒットさせるなど売れっ子編集者であった著者による小説です。今はフリーの立場でマンガをプロデュースすることを本業としていて、小説は2作目のようです。

デイトレードにはまり、家族をかえりみることがない父親が主人公です。東証に超高速取引システム「アロー・ヘッド」が登場する前の、典型的な「板」を読みながら取引するデイトレーダーの取引ぶりがていねいに描かれていて、専門知識がない人でもストーリーを追っていくことで、デイトレーダーがどのような取引をしていて、どのような人種なのかよく分かるかと思います。

「アロー・ヘッド」が登場して、この小説の主人公のような、いくらでどれだけ売り買いの注文が出されているかの「板情報」を読むデイトレーダーは絶滅の危機に瀕しているようですが、この小説から伝わってくるトレーディングの刹那主義や、目的のない大金のむなしさは変わりません。

大ヒットマンガを数多く手がけた編集者らしく、文章も非常に平易なので楽しみながら、トレーディングに親しめる小説です。

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