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特捜投資家

特捜投資家

レベル3 ★★

これまで社会を揺るがせた事件についてのノンフィクションを執筆してきた著者による初めての経済小説です。題名に込められた意味合いは、権力者に検察の特捜部が切り込めなくなった今、金の力で以前の特捜部のように巨悪に切り込む投資家が求められているというものです。

結論から言うと、少しビジネスに詳しい人であれば登場人物は誰をモチーフにしているか分かりますし、ストーリーもかなりご都合主義的に進んでいくので少々迫力に欠けます。特捜投資家たる本書の主人公が米国で打ちのめされたとされるリーマンショックで2兆円を稼いだ凄腕ヘッジファンドマネージャーは明らかにジョン・ポールソンをモチーフにしているのでしょうが、現実のポールソンは直近負け続けてファンドもピークの5分の1以下にまで縮小していしまっているので、あまり締まりません。

ただ、見るべきは本書にたびたび出てくる日本のベンチャー企業のいい加減さはかなり的を射ていることです。本書にもイーロン・マスクが登場しますが、彼がすごいところはいかなる大言壮語もサイエンスの事実には反していないことです。対して、本書に出てくる日本の革新的なEVベンチャーもそうですが、日本にはサイエンス上あり得ないことを堂々とのたまうペテン起業家があまたいます。

本書に出てくるようなペテンベンチャーが現実世界のどの企業に当てはまるのか考えながら読むとストーリーにより刺激が感じられると思います。

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宇宙ビジネスの衝撃

宇宙ビジネスの衝撃――21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ

★★

今年に入ってから、イーロン・マスク率いるスペースXが立て続けにロケットの再使用に成功し、さらには年内の有人飛行も予定しているなど、日本でも米国の民間企業による宇宙開発の報道は増えてきています。

宇宙ビジネスが注目される最大の理由は登場人物が大物ぞろいであることです。民間企業の有人宇宙飛行については、上記のイーロン・マスクに現在世界一の富豪であるアマゾンの創業者ジェフ・ベゾス、ヴァージン・グループの創業者リチャード・ブランソンといういずれも強烈なキャラクターをした3人のビリオネアがしのぎを削っています。

それ以外にも、グーグルの創業者であるラリー・ペイジや映画監督ジェームズ・キャメロンが小惑星の資源探査企業であるプラネタリー・リソーシーズに巨額の出資をしたり、イーロン・マスクは最終的に2040年には100万人単位の火星移住を目指していたりするなど刺激的なエピソードが満載です。

著者自身がこうしたビジネスに関わっているわけではないので、本書の情報は広く公開されているものが中心ですが、米国を中心とした民間企業がどのように宇宙開発を主導し始めているのか、現状を把握するのには適した内容となっています。

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アマゾン・エフェクト

  • 2018年4月13日 8:00 AM
  • ★★

アマゾンエフェクト!  ―「究極の顧客戦略」に日本企業はどう立ち向かうか

★★

米国の株式市場はここ数年、FAMGA(フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト・グーグル・アップル)と呼ばれるメガテック企業5社が上位を占めていますが、この5社の中でもビジネスの成長ペースと今後のポテンシャルで最も高く評価されているのがアマゾンです。米国ではTo be Amazonedという言葉が、アマゾンの進出によってある業界が根こそぎ奪われるという意味でつかわれるほどの存在感を持っています。

セブンイレブンのCIOとしてオンラインチャネルの強化を推進する立場として、そのアマゾンと対峙する立場にあった著者が、アマゾンのビジネスモデルの凄みとそれに対峙する日本の小売企業の厳しさについて書いた本です。これまでもアマゾンについての書籍は色々と読んできましたが競合企業の立場からの視点は初めてで、アマゾンの業界構造を根こそぎ変えてしまう恐ろしさについて新鮮な切り口で理解できました。

著者のオンライン強化を含めたオムニチャンネルに関する取り組みは、父親で長くセブンイレブンの会長を務めた鈴木氏の退任により後退してしまい、決済が不要なAmazon Goの立ち上げやホールフーズの買収などで実店舗での取り組みを加速させるアマゾンに対して、国内では最強の小売りと言えるセブンイレブンについても厳しい戦いを強いられそうです。本書の特に後半はセブンイレブンの内部対立で、オムニチャンネルの取り組みが思うように進んでいないという記述が多いことはとても残念に感じました。

日本の小売全体がTo be Amazonedされるのを防ぐ手立てはあるのか、小売企業に残された時間は少ないと読後に強く感じました。

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アマゾノミクス

アマゾノミクス データ・サイエンティストはこう考える

★★

アマゾンの元チーフサイエンティストが書いたデータ分析の本ということで、AWSというクラウドサービスで世界一のシェアを誇り、データ分析でも世界の最先端を行っているアマゾンでの知見が数多く披露されていると思い読んでみましたが、肩透かしを喰らいました。

守秘義務が非常に厳しいアマゾンのことなので、紹介できない事例も多いのでしょうが、本書で紹介されているアマゾンでのデータ分析の内容は旧知のものがほとんどでした。また、著者は現在アマゾンをやめてアリババやゴールドマン・サックスなど様々な企業にデータ分析のコンサルティングサービスを提供する企業を運営していますが、そうした他社の事例についても守秘義務のためか目新しい事例に乏しかったです。

データ分析の最新事例ではなく、社会のあらゆる局面でデータ分析が用いられるようになってきていて、さらにビッグデータをアマゾンやグーグル、フェイスブックといった一部の企業が独占してしまっている状況をどのように個人にも裁量が働かせる健全な状況に戻せるのかという提言が本書の主眼となっています。

アマゾノミクスから、私と同じような期待を持って本書を手に取る人は多いでしょうし、著者の主張をよりダイレクトに想起させるタイトルが他にもあったのではないかと感じました。

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人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか

  • 2017年2月24日 8:00 AM
  • ★★

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質

★★

人工知能が頭脳ゲームで人類最強を倒したというと、グーグルが開発したアルファ碁が昨年に韓国のトッププロを倒した囲碁が世界的な話題となりましたが、本書は将棋ソフトで最強であるポナンザ開発者の山本氏による著書です。

アルファ碁が一昨年末に欧州チャンピオンを倒し、昨年3月に韓国最強で世界トップクラスのイ・セドルを4勝1敗で倒し、さらに今年の頭にはオンライン上の対戦で人類トップクラスに対して60連勝するなど、囲碁についてはまだ10年以上かかるという見方が大勢であったところから、わずか1年半で人類を超えるところまで一気に進化しました。

将棋については囲碁ほど急速ではありませんでしたが、電王戦という形で5年ほど前からプロ棋士と将棋ソフトの対局が始まり、その中でもポナンザは全勝を守るなど、圧倒的な強さを示しています。本書では開発当初はアマチュアにも全く勝てないレベルから、10年以下で人間のトップクラスでもかなわないほどの強さまでに進化した過程を、メディアでもよく使われるようになってきた機械学習やディープラーニングといった人工知能に関する用語の解説も含めて、分かりやすくまとめられています。

著者にとって畑違いである囲碁の世界の人工知能についても、アルファ碁とイ・セドルとの戦いを中心に巻末での対談含めて色々な情報がちりばめられています。AIの最新事例について取り扱った書籍は、技術開発を主導している米国で書かれて、日本語に翻訳されているモノがほとんどです。本書は日本人が初学者向けに分かりやすく解説してくれた貴重な入門書ですから、囲碁や将棋ソフトを見て人工知能に関心を持った人はぜひ手に取ってください。

 

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カジノとIR

カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ! ?

★★

世の中ではハイパークリエイターという肩書や、沢尻エリカさんの元旦那といったところばかりがクローズアップされている著者の高城氏ですが、パーマネントトラベラーとして世界中を旅して各国の最新事情に詳しく、東京でのカジノ解禁についてのパネルのメンバーであったこともあって、世界中のカジノの実態がコンパクトにまとまっています。

トランプ次期大統領との会談の直後に急ピッチでカジノ法案が可決されたために、その背景にあるメカニズムについて色々なうわさが飛び交っていますが、めまぐるしい展開から議論が十分ではないとカジノに対して批判的な国民が過半を占めているようです。

本書では日本で今後どのようなカジノリゾートを作っていくべきか、最もお手本になると著者が考えているシンガポールのIR(統合型リゾート)を中心に、各国のカジノの展開について網羅的にまとめられています。日本では、そもそもIRがどんなものか知っている人が少なく、これ以上ギャンブル中毒者を増やすことにつながるという、IRの本質とはあまり関係ない議論ばかりが先行しています。

シンガポールで暮らしていて、マリーナベイサンズというIRによりシンガポール経済が活性化している成功例を目の当たりにしているだけに、今後の日本のカジノのあるべき姿について考える上では本書の内容は最低限の議論のベースとして把握しておくべきでしょう。

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ネルソン・マンデラ 未来を変える言葉

ネルソン・マンデラ 未来を変える言葉

★★

20世紀最後の偉人と呼ばれるネルソン・マンデラの発言の中から、ジャンルごとに明言をまとめた書籍です。マンデラは言わずと知られているでしょうが、南アフリカのアパルトヘイトに対して反抗したことで27年にもわたって投獄されても信念を曲げずに、最後は南アフリカの指導者となり世界から尊敬を集めた人物です。本書には革命の闘士だった時代から晩年に至るまで幅広い時代の発言がまとめられています。

私がマンデラにまつわるエピソードで印象的に覚えているのは、1994年のラグビーW杯の南アフリカ大会で日本代表から150点近くとるなど破竹の勢いで決勝まで来た、当時世界最強とされたNZ代表オールブラックスの面々が決勝の相手である南アフリカの指導者マンデラと握手したときに明らかに気圧された表情をしたというエピソードです。屈強な男たちを肉体からではなく、その偉業により精神的に圧倒したことが、大番狂わせといわれた南アフリカ大会での南アフリカチームの優勝を呼び込んだと複数のコラムニストが指摘していました。

本書にまとめられている言葉は確かに素晴らしい内容です。しかし人は言葉だけでは心を動かされることはありません。マンデラ自身の不屈で気高い行動があってこそ、本書にまとめられている言葉は意味を持ちます。本書を読んで、マンデラの人生の歩みについて深く知りたいと感じました。評価が星2つとなったのは、各ページに2‐3個の言葉のみという内容の少なさによるもので、もちろんマンデラの言葉自体は珠玉のモノばかりです。

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世界の権力が寵愛した銀行

世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白

レベル3 ★★

ここ数年で米国のIRS(内国歳入庁)を中心として情報開示が進み、鉄の結束の象徴だったスイスの銀行の情報秘匿は大きく崩れましたが、本書はその崩壊の象徴的な事件の1つを扱っています。

HSBCのシステムエンジニアであった本書の著者は、モナコで生まれ育ちフランス/イタリアの両方の国籍を持ち、HSBCのプライベートバンキングで働くというユニークなバックグラウンドを持っています。モナコでとんでない大富豪があふれている世界と、フランスやイタリアの一般庶民が多くいる世界のギャップを常に見ながら育った著者は、以前から銀行システムについて懐疑的な視点を持っていました。

その視点が、HSBCで働く中で富裕層たちが世界中のタックスヘイブンを通じて脱税していることをとらえた時に、著者はプライベートバンキングの個人情報を取得してそれをフランス政府に持ち込むという行動につながりました。著者が開示した情報を元に、欧州主要国で脱税を摘発する動きが広がっています。一方、スイス当局は自国最大の産業である銀行の信頼性を傷つけた許しがたい犯罪者として著者を追い続けています。

確かに、そのプロセスはエキサイティングですが、全般的に本書に対しては失望感を持ちました。その理由としては著者の主張にどうしても首をかしげざるを得ない部分が多いからです。著者の主張の矛盾や反論については、冒頭や巻末で海外投資の第一人者である橘玲さんが解説していて、この記述は大きな助けとなります。

また、タイトルに反して著者の行動は本当の世界の権力者を追い詰める効果は持ちませんでした。せいぜい、小金持ちの脱税を暴いたくらいです。同時に、本書を読むとプライベートバンキングとは犯罪行為の温床のように映りますが、その理解もまたとても偏っています。

より広範でバランスの取れた視点からの、プライベートバンキングとタックスヘイブンについての問題提起が望まれます。

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中国のスティーブ・ジョブズと呼ばれる男

中国のスティーブ・ジョブズと呼ばれる男: 雷軍(レイ・ジュン)伝

★★

優れたインターフェースの高機能スマホを、アップルやサムスンといった一流ブランドの半分以下の値段で提供することで、中国のスマホ市場を席巻しているシャオミの創業者、雷軍(レイ・ジュン)の伝記です。

本書のタイトルにあるように雷軍は、プレゼンの時の振る舞いや服装においてスティーブ・ジョブズを模倣していると言われており、中国のスティーブ・ジョブズとして欧米メディアで紹介されることが多くなっています。また、シャオミのOSはグーグルのアンドロイドを使っていますが、独自のユーザインターフェースを開発することで、製品の見た目も、使い心地もiPhoneとそっくりに仕上げられています。

こう書くと、中国メーカーにありがちな模倣者のように聞こえるかもしれません。しかし、中国の消費者も所得が上がるとともに、海外に旅行した経験を持つ人も増え、いくら安くても単なる模倣品ではシャオミのように成功することはできなくなっています。

本書で初めて、雷軍はシャオミを立ち上げる前に、大手ソフトメーカーの社長を20代で務めるなど、中国のIT業界の興隆において重要な人物であったことを知りました。そして、今まで培ってきた中国IT業界における人脈と知見がシャオミの大成功につながっていることが分かります。ただ記述が、時系列が前後しながら進むため、中国のIT業界に詳しくない人にとっては内容が理解しづらいことが残念です。

シャオミは、スマホ業界に限らず全業界で見ても、史上最速のペースで拡大している企業で、創業わずか5年で売上1兆円を達成しました。雷軍はまだ45歳で、アリババの創業者ジャック・マーが50歳、テンセントの創業者である馬化騰は43歳です。

日本では例がない40~50歳で、時価総額が10兆円以上の企業を率いる創業者たちが、これまで製造業が中心であった中国経済の次世代の成長を駆動していくと感じさせられます。

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アップル・グーグルが神になる日

アップル、グーグルが神になる日 ハードウェアはなぜゴミなのか? (光文社新書)

★★

 

センセーショナルなタイトルですが、内容はまじめなIT業界の行く末についての予測です。エンジニアによる著作なので、スマホやウェアブル機器、最近話題のIoT(Internet of Things:モノのインターネット化)が、今後どのように発展していくのか低消費電力タイプのブルートゥースなど、技術企画の内容から予測しています。

結論からいうと、タイトルにあるようにスマホのOSで支配的になっていて、その上のアプリの課金体型までプラットフォームを抑えている、アップルやグーグルの隆盛がさらに続き、スマホに移行してから完全に米国勢に押されている日本のメーカーは、ますます劣勢になっていくという予測です。

ハードウェアのコモディティ化が進み、ソフトウェアはもちろん、その上にどのような技術的・経済的プラットフォームを築くかに、IT業界の優勝劣敗はかかっているという指摘には同意できますし、その戦いで日本企業が負け組となってしまうという予測も正しいでしょう。

以前にソニーの凋落を描いたNHKの特集番組で、ソニーをやめた技術者たちがより画質のよいテレビの開発に注力しているシーンがありましたが、これなど日本企業のハードウェア信仰の典型で、一般の消費者にとってほとんど区別できない技術進歩を、コンテンツの単なる出口の1つになりつつあるテレビパネルで実現したところで、ビジネスとしては全くうまくいかないでしょう。

せっかく、大企業をやめてベンチャーとして身軽に動けるのに、旧態依然のハード開発にこだわっている姿に暗澹たる気持ちになったところで、本書を読み他の業界でも日本企業の躍進は望めないと感じました。

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セックスと恋愛の経済学

セックスと恋愛の経済学: 超名門ブリティッシュ・コロンビア大学講師の人気授業

★★

 

センセーショナルなタイトルですが、カナダの名門ブリティッシュ・コロンビア大学で経済学を教える人気女性教授の著作です。最近、通常は経済学が研究対象としない分野における経済分析の書籍が増えてきていますが、本書もその一環といえます。

セックスや恋愛に関する様々な事象が、経済的なインセンティブに基づいたどのような意思決定から行われているかについて明らかにされています。女子学生が多い大学ほどセックスの体験年齢が低くなるといった直観に反する事実も色々と紹介され、それについての経済的な解説が加えられています。

ただ、事例が米国を中心としているため、日本とは大きく前提条件が異なるため、あまり参考にならないと感じるケースも多く、著者自身が行った研究についての事例も少ないため、やや物足りなく感じました。

本書と同様に普段は経済学が対象としない著作であれば、「ヤバい経済学」の方が数段インサイトに満ちた好著だと思います。本書では、主に一般の男女間の恋愛についてのケースでしたが、本書の著者は次回作として金銭的なやり取りが発生する恋愛、つまり風俗産業についての著作を準備しているようです。経済学的には、非常に大きな産業であるので、次回作を期待して待ちたいと思います。

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バフェット合衆国

バフェット合衆国 ――世界最強企業バークシャー・ハサウェイの舞台裏 (ウィザードブックシリーズ)

レベル3 ★★

バークシャー・ハサウェイを経営するようになってちょうど50年が経ったため、再び脚光があたっている人類史上最高の投資家ウォーレン・バフェットですが、これまで日本語でも彼についての多くの書籍が出版されています。

しかし、本書はバフェット本人ではなく、バフェットが投資をしている企業の経営者という、バフェットを支える人物たちに焦点を当てているがユニークです。バフェットは最も気に入った企業は100%株式を保有して、自身が経営するバークシャー・ハサウェイの傘下におさめます。

傾いた繊維会社だったバークシャー・ハサウェイですが、バフェットが経営するようになってから50年で、世界でも有数の巨大コングロマリットにまで成長しています。本書では、バークシャー・ハサウェイ傘下の経営者それぞれの生い立ちから、経営者として成長する軌跡、そしてバフェットの出会いと現在までの協業についてまとめられています。

バフェットのファンであった香港の投資家である著者が、米国に何度も足を運びながらまとめられた内容からも、バフェットの投資家としての価値観がよく伝わってきます。企業経営で長期に成長するには、飛び道具は必要なく当たり前のことをいかに徹底できるのか、「凡事徹底」が最も重要であることがよく分かります。

ただ、各人のインタビュー内容が定型的であるため、その人となりにまでは踏み込めておらず、さらにバフェットとの個人的エピソードもあまりなかった点については残念に感じました。

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