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ウォール街のイカロス

ウォール街のイカロス─小説ヘッジファンド

レベル3 ★★★

金融業界で長く活躍しながら、このブログでも紹介した名著「ヘッジホッグ」など金融ノンフィクションを残したバートン・ビッグスによる唯一の小説です。

モルガン・スタンレーに30年以上在籍し、さらにその後もヘッジファンドを立ち上げた著者だけあって、その作品はどれも金融業界に深い洞察を元に、特にマーケット関係者には深く心に突き刺さります。

黒人と白人のハーフというウォール街のマイノリティを主人公に据えた本作品も、ヘッジファンドを中心とした金融業界についてその面白さ、刺激性、そして残酷さということが良く伝わる、迫力ある内容となっています。

ただ、小説としての出来はあまり良いとはいえません。ITバブル前夜からリーマンショック後までが本書の舞台となりますが、時系列が前後することが多く、また登場人物の心情も伝わってこないこと場面も見られ、ストーリーがうまく流れていません。

結末もイカロスというタイトルから想像できるようにハッピーエンドではありませんが、もう少し救いがあっても良いと思いました。この著者の本質はやはりノンフィクションにあると感じました。

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