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特捜投資家

特捜投資家

レベル3 ★★

これまで社会を揺るがせた事件についてのノンフィクションを執筆してきた著者による初めての経済小説です。題名に込められた意味合いは、権力者に検察の特捜部が切り込めなくなった今、金の力で以前の特捜部のように巨悪に切り込む投資家が求められているというものです。

結論から言うと、少しビジネスに詳しい人であれば登場人物は誰をモチーフにしているか分かりますし、ストーリーもかなりご都合主義的に進んでいくので少々迫力に欠けます。特捜投資家たる本書の主人公が米国で打ちのめされたとされるリーマンショックで2兆円を稼いだ凄腕ヘッジファンドマネージャーは明らかにジョン・ポールソンをモチーフにしているのでしょうが、現実のポールソンは直近負け続けてファンドもピークの5分の1以下にまで縮小していしまっているので、あまり締まりません。

ただ、見るべきは本書にたびたび出てくる日本のベンチャー企業のいい加減さはかなり的を射ていることです。本書にもイーロン・マスクが登場しますが、彼がすごいところはいかなる大言壮語もサイエンスの事実には反していないことです。対して、本書に出てくる日本の革新的なEVベンチャーもそうですが、日本にはサイエンス上あり得ないことを堂々とのたまうペテン起業家があまたいます。

本書に出てくるようなペテンベンチャーが現実世界のどの企業に当てはまるのか考えながら読むとストーリーにより刺激が感じられると思います。

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